ＭＣ用昇圧トランスや鉄心入りＭＣカートリッジは長年の使用で徐々に磁気を帯びてきます。帯磁してしまうと磁気バイアスがかかり動作点がずれることで、再生される音楽信号に歪を生じさせ活気の無い音質の劣化をきたします。
本来の音質をとり戻す為には、この帯磁した磁気を取り除かなければなりません。この消磁器は、ＭＣ用昇圧トランスや鉄心入りＭＣ カートリッジに４６４Ｈｚの疑似サイン波を約２秒間かけて指数関数的に増大させながら信号を印加します。
本器は回路を簡素化して故障を少なくするために手動で最小値から約２秒かけて最大値までツマミをまわし、今度は最大値から約２秒かけてボリュームを最小値まで絞ります。つまり磁界を徐々に小さくしながら「０」に近づけることにより磁性材のコアを消磁します。鉄心にコイルを巻いたMCカートリッジや昇圧トランスが断線しているかどうかを調べる時に、知らずにテスターの抵抗レンジあるいは導通レンジで測ると、DC（直流）が流れて、鉄芯が帯磁してしまいます。本来の音が発揮できなくなります。音を聴いてみればわかりますが、鉄芯が帯磁したトランスでは高音域が減衰します。
【ご注意】・空芯ＭＣカートリッジや光カートリッジは、コイルを巻いている磁性材が存在しないので消磁しても効果がありません。・ＭＭ やＭＩ 型カートリッジを消磁する場合は必ず針先を外して下さい。針先が外れない場合は使用しないで下さい。マグネットが消磁されてしまいます。・ＭＣ昇圧トランスを消磁するときは、ＰＨＯＮＯ／プリアンプ等との接続を外してからトランス単品で消磁してください。

鉄心MCカートリッジや、MCトランスの使用の愛好者が力感があるということでMCを好む方々はいらっしゃいます。こういった製品の中にはとても高価なものもありますが、それらがもしも磁化されていることによって本領が発揮されていないとすれば、何とも勿体ないことなので消磁器で消磁して音が生き返る場合があります。ある方は、消磁すると見違えるように溌剌としたなりっぷりに生まれ変わった。消磁してやると音の解析度が高くなり、スッキリして、立体感、リアリティ、鮮度感も向上しています！（効果は帯磁状況によって違う）またある方は、精神的にこの消磁する行為によってプラシーボ効果（プラセボ効果）で良くなったような気がする。カートリッジやステップアップトランスを消磁して、新年を迎えてのすがすがしい音に出会えるかも知れません。